治療法が確立していない難病を発症した場合、受容するまでにはどのような過程を進んでいくのでしょうか。
そこで参考になるのがキューブラー=ロスの悲しみの5段階です。
第1段階は否認と孤立です。難病と診断されたことを理解しようとするのですが、そんなわけない、自分のことではない、と否定しようとします。でも否定しきれない、ということもわかっている状態のことです。急に周りの人がすごく幸せに見えたり、または自分を哀れんでみているような気分となり自然と自ら孤立を選んでしまうことも。
第2段階は怒りです。なぜ何も悪いことをしていないのにこんな目に遭わないといけない、という誰に向けていいのかわからない怒りが込み上げてきます。イライラは抑えることができず、この段階の時は周りの人もイライラをぶつけられることも。
第3段階は取り引きです。今まで信仰心などなかったのに神様にすがりたくなる段階のことです。なんとかこの状態を脱したい、と強く願うあまり今まで全く関係なかった宗教や物にはまってしまうことも。
第4段階は抑うつです。悲しみと絶望感が強くなりとても落ち込み、憂鬱な気分になります。何をしても楽しめない、何をしてても集中できない状態が続きます。
最後、第5段階が受容です。回避しようとしても病状は進んでいき、受け入れるという状況となります。もちろんまだ悲しみはゼロではありません。しかしこの5段階を踏むことで受容ができ、徐々に普段に近い日常生活が送れるようになってきます。
この段階を理解していると難病患者をケアする看護師は各段階にあった関わりを行うことが可能となります。